ピエール・アンリ氏が死去、ミュジック・コンクレートの代表者

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ミュジック・コンクレート(具象音楽)の代表者として知られるピエール・アンリ氏が7月6日、パリで死去した。89才だった。
アンリ氏は1927年にパリで生まれた。10才の時からコンセルバトワールで音楽を学び、ピアノや打楽器などの演奏技術を習得、メシアンの下で和声等も学んだ。1949年には国営RTF(ラジオ・テレビ)に入り、同社の技師を務めていたピエール・シェフェールと共にミュジック・コンクレートの出発点となった「ひとりの男のための交響曲」(1950年)を制作した。ミュジック・コンクレートは、楽器の音でなく、自然の音や騒音、日常生活の音などを録音・加工して音楽に持ち込んだもので、「交響曲」はモーリス・ベジャールが創作バレエに用いた(1955年)こともあって知られるようになり、当時の社会に大きな衝撃を与えた。ピエール・アンリはその後、シェフェールとの共作のオラトリオ「オルフェ51」を再編集した「オルフェ53」(1953年)を制作してシェフェールからは遠ざかり、緊張感と構成力がある独特の作風を確立。また、既存の音源の再編集という方向性は、ミュジック・コンクレートから昨今のサンプリングやDJといった展望を開くものともなった。1967年の「現在のためのミサ」は、ポピュラー音楽のイデォムを取り込み、電子音で味付けをした異色作で、やはりベジャールが振付けをしたことで広く知られている。晩年まで旺盛な創作活動を続けたが、2016年9月23日初演の「クロニック・テリエンヌ」は病気のため、本人は演奏ができなかった。