総選挙決選投票:マクロン大統領のLREM党が大勝、予想ほどの圧勝にはならず

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18日に総選挙決選投票の投開票が行われた。マクロン大統領のLREM党が過半数(全577議席、過半数は289議席)を大きく上回る308議席を単独で獲得し、大勝した。ただ、事前に予想されたほどの圧勝にはならなかった。逆に、他の政党はいずれも、予想されたほどの規模の敗北にはならなかったが、保革の二大勢力は大きく後退した。
投票率は42.64%と、1週間前の第1回投票をさらに大きく下回る数字に留まった。結果が決まっていると考えて、投票に行かなかった人がさらに増えたものと考えられる。全体として、これがLREM党にとって不利になり、また、他の政党のコアな支持層の相対的な比重を高めたと考えられ、これが他の政党の予想以上の健闘をもたらす主因になったと思われる。
議席数では、LREM党が単独で308議席を獲得。LREMと選挙協力を結んだMODEM(中道)は42議席を獲得した。合計では350議席に上り、これは歴代の下院における与党の議席数としてトップクラスになる。これに対して、共和党は113議席、UDI(中道)は18議席を獲得。合計で131議席と、改選前から100議席後退の大敗となった。既に改選前の議席数は過去最低の水準だったが、さらに後退した。とはいえ、大統領選以降の流れの中では予想以上の健闘となり、最大の野党勢力としての足場を得た。他方、改選前与党だった社会党は29議席の確保に留まり、記録的な大敗となった。協力する左翼急進党の3議席、環境派の1議席、左派諸派の12議席を加えても45議席に留まり、社会党は存続の危機に直面することになる。社会党のカンバデリス第一書記は選挙結果の発表後に辞任すると発表した。
大統領選に出馬したメランション候補が率いる左翼「不服従のフランス」は17議席を獲得。協力関係にある共産党も10議席を獲得した。メランション候補は自らマルセイユの選挙区から立候補し、当選した。下院では15議席以上の確保により院内会派を形成でき、代表質問などで存在感を発揮できるが、「不服従のフランス」は単独で院内会派を結成できることになり、今後、議会における左翼の反対勢力としての地位をアピールすると見られる。他方、極右FNは8議席を獲得。大統領選に出馬したマリーヌ・ルペン党首が北仏パドカレ県の選挙区で初当選を果たしたのをはじめとして、改選前の2議席に対して、予想以上に多くの議席を獲得した。院内会派の形成はできないが、議会においてこれまで以上の足場を確保することに成功、マリーヌ・ルペン党首は一応の面目を保った。
フィリップ内閣の閣僚で総選挙に出馬した6人は全員が当選。閣僚職を継続することが可能になった。注目の候補者では、パリから立候補のコシュスコモリゼ元エコロジー相(共和党)がLREM党の候補に惜敗。エルコムリ前労相(社会党)もパリの選挙区から出馬して落選した。社会党のバローベルカセム前教育相は、ローヌ県の選挙区から出馬したが、LREM党が立てたブリュノ・ボネル候補(企業経営者)に敗れて落選。バルス元首相は社会党を離れ、左派諸派として出馬し、「不服従のフランス」の対立候補に辛勝した。極右FNのフィリポ副党首は、モーゼル県の選挙区から出馬してLREM党の候補に敗北。フィリポ副党首はユーロ圏離脱を提唱した政策ブレインで、党内からは大統領選敗北の戦犯扱いをする声も上がっており、自らの敗退で一段と党内の風当りが強まる可能性がある。FNから再選を狙った唯一の候補であるコラール下院議員は、南仏ガール県の選挙区でLREMの有力候補を前に厳しい戦いを強いられたが、わずか123票差で辛勝し、再選を勝ち取った。