総選挙第1回投票:マクロン大統領のLREM党が圧勝へ

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11日に総選挙の第1回投票が行われた。マクロン大統領のLREM党が28.21%の得票率を得てトップとなった。協力するMODEM(4.11%)を加えると32.33%の得票率を達成、議席数では、全577議席中、415-455議席と圧倒的多数を確保できるめどが立った。決選投票は1週間後の18日に行われる。
投票率は48.71%となり、総選挙第1回投票としては記録的に低い水準にまで低下した。LREM党の圧勝が予想される中で、マクロン政権に批判的な勢力は投票に行っても無駄だと考えて、棄権したのがその主因と考えられる。これも、投票者に占めるLREM党の支持の割合を高める結果になり、LREMにとって有利な結果を招いた。
政党別の得票率は、共和党(保守)が15.77%、共和党と協力する中道のUDIが3.03%で、合計すると18.80%の得票率を確保した。メランション候補が率いる「不服従のフランス」(11.02%)と共産党(2.72%)は合計で13.72%の得票率を達成、極右FNの13.20%を抑えて第3位となった。社会党(7.44%)は低迷が目立ち、協力関係にある左翼急進党(0.47%)と環境政党EELV(4.30%)を加えても12.21%と、FNに及ばなかった。
総選挙は小選挙区制で行われ、第1回投票で一定の得票率を達成した候補が決選投票に進出、決選投票では最も得票率が高かった候補者が勝利する。このため、得票率はそのまま議席数には直結しないことになる。各選挙区の状況を踏まえた獲得議席数の予想を見ると、共和党・UDIが70-110議席、社会党・左翼急進党・EELVが20-30議席、不服従のフランス・共産党が8-18議席、FNが1-5議席、その他が7-12議席となり、マクロン派の圧倒的多数という構図になった。
選挙区ごとの結果では、フィリップ内閣から立候補した6人の閣僚の成績が特に注目されていた。落選の場合は閣僚職を辞する旨をマクロン大統領は定めており、出馬した閣僚は背水の陣での戦いとなった。過去の不明朗疑惑の渦中にあるフェラン国土整備相はフィニステール県の選挙区で、33.9%の得票率を得てトップで折り返すことに成功(共和党候補と決選投票)。同じく架空雇用疑惑が持ち上がっているドサルネーズ欧州問題相(MODEM)もパリ第11選挙区で40.6%の得票率を得てトップで決選投票に進出した(共和党候補と対決)。苦戦も予想されていたルメール経済相は44.5%の得票率で、2位のFNの候補に大差をつけ、決選投票に進出を決めた。パリ第16選挙区から立候補したマジュビ・デジタル閣外相は37%の得票率でトップとなり、「不服従のフランス」の候補(20%)と決選投票に進んだ。同選挙区を地盤とする社会党のカンバデリス第一書記は決選投票に残れず落選した。カスタネル国会関係相・政府報道官も決選投票に有利な形で進出したが、ジラルダン海外相(左翼急進党所属)は、サンピエールミクロンの選挙区で、地方主義政党の候補と完全同率で決選投票に進み、厳しい戦いとなった。
大統領選で決選投票を争ったFNのマリーヌ・ルペン党首は、FNが強い北仏パドカレ県の第11選挙区(エナンボーモン市など)から出馬。46%の得票率を達成し、LREM党の候補者と決選投票を争うことが決まった。ルペン候補は前回と前々回にもこの選挙区から立候補し、前回は社会党候補に惜敗したが、今回は有利に戦いを進めている。ただ、全体としてFNが改選前の2議席を大きく上回るのは難しい情勢になっており、大統領選までの勢いを総選挙に持ち込むことには失敗した。「不服従のフランス」も状況が似通っており、大統領選に出馬したメランション候補は、マルセイユの選挙区で34.3%の得票率を得てトップとなり、LREM党のベルシニ候補と決選投票に進出した。同選挙区では現職のメヌチ候補(社会党)が敗退、社会党の低落がここでも印象付けられた。それでも、「不服従のフランス」は全体としては大統領選時の勢いは発揮できていない。他方、社会党は低落傾向が鮮明となり、カンバデリス第一書記や大統領選に出馬のアモン候補など大物が多数、決選投票を待たずに落選、厳しい逆風を印象付けた。バルス元首相はLREM党が候補者擁立を見合わせたこともあり、25.5%の得票率でトップで決選投票に進出できた。