30万年前のホモ・サピエンスの骨が発見

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現在の人類、ホモ・サピエンスが今から30万年以上前に遡ることを示す研究成果が科学誌ネイチャーの6月8日号に掲載された。この研究は、古人類学者の仏ジャンジャック・ユブラン(独マックスプランク研究所、仏コレージュドフランス)が中心となって行った。モロッコで発掘された5体の頭蓋骨について、31万5000年前(誤差前後3万4000年)という鑑定結果が得られた。これまでの最古のホモ・サピエンスの骨はエチオピアで見つかったもので、年代は20万年弱とされており、従来より10万年も前のものとなる。
骨が発見されたのは、マラケシュ西方の鉱山地方ジェベル・イルフドで、同地からは1960年代から古人類の化石が発掘されていた。2004年にユブランらが率いる調査隊が組織され、200立方メートルに上る岩盤を除去し、その3メートル下から、5人分の人骨と石器を発掘した。加熱石器を対象にした熱ルミネッセンス法と人骨の電子スピン共鳴法の2つの方法で年代測定を行い、一致して30万年以上前という結果を得た。
ユブラン氏はこの発見について、アフリカ東部を新人の発祥の地と考えるこれまでの主流の考え方に対して、アフリカ全体を発祥地と考える仮説の優位を示すものだと説明している。20年前に南アフリカのフロリスバードで発見された新人を思わせる26万年前の頭蓋骨一部ともあわせて、ホモ・サピエンスの起源を見直す材料として注目される。