大統領選:マクロン候補が当選、予想外の大差

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大統領選決選投票の投開票が5月7日に行われた。エマニュエル・マクロン候補(「アン・マルシュ」)が極右FNのマリーヌ・ルペン党首を破り、次期大統領に当選を果たした。
最終的な開票結果によると、マクロン候補は66.10%の得票率を達成。ルペン候補の33.90%に予想以上の大差をつけて勝利した。得票総数は、マクロン候補が2075万3798票、ルペン候補が1064万4118票だった。
投票率は74.56%となり、これは第1回投票の75.77%をわずかに下回った。大統領選では通常、決選投票の方が第1回投より投票率が高いが、今回は例外的に決選投票の方が低かった。このような事態は1965年(ポンピドー候補がポエール候補に勝利、投票率68.85%)以来ではこれが初めて。決選投票における投票率としても、同じく1965年以降で最も低い水準に留まった。これと並行して、「白票」は有権者数比で6.35%、無効投票は同2.21%となり、これらを棄権者と合算すると、有権者のうち実に34%が両候補のいずれにも投票しなかったことになる。これは恐らく、共和党のフィヨン候補や左翼メランション候補の支持者らを中心として、落選候補の支持者らのかなりの部分が、いずれの候補にも投票したくないと考えて、棄権や白票の投票によりその意思表示をしたためと考えられる。
ともあれ、マクロン候補は予想以上の大差をつけてルペン候補に勝利した。投票前の世論調査では、マクロン候補の得票率が60%を割り込む可能性もあったが、実際の選挙結果では66%を超える得票率を達成。これだけの高い数字を予想した世論調査は皆無だった。有効投票数で3分の2近い支持を得たことになり、国民が幅広い支持をマクロン候補に与えたことがわかる。これはやはり、極右阻止の意思表示を示そうという気持ちが、マクロン候補に支持を与えるのは嫌だという気持ちに打ち勝った結果と考えられ、逆に、棄権や白票の多さも、全体としてはむしろ極右拒否の意志の表れであると考えることができるかもしれない。得票率を地域別にみると、ルペン候補がマクロン候補に勝ったのは、いずれも北仏のパドカレ県(52.05%対47.95%)とエーヌ県(52.91%対47.09%)の2県のみで、極右が強い南仏の地中海沿岸を含めて、マクロン候補は残りのすべての県で過半数の支持を集めることができた。マクロン候補は、パリをはじめとする大都市で、80%を大きく超える高い得票率を達成した。
この結果には、3日に行われたテレビ討論の直接対決が影響した可能性もある。この時にルペン候補はマクロン候補を口汚く攻撃する場面が多かった。これを見て、先代のジャンマリー・ルペン前党首と変わるところがない下品な人物という心証が多くの国民の間に定着し、これが選挙結果に跳ね返ったという見方もある。とはいえ、ルペン候補が第1回投票(21.30%)を大きく上回る得票率を決選投票で達成し、1000万人を超える有権者がルペン候補を支持した(有権者総数比では22.38%)のは事実であり、国民の間で広がる負の感情を吸い上げて極右勢力が大きな潮流となっていることが改めて浮彫りになった。

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