大統領選:決選投票ではマクロン候補が優勢

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5月7日に投開票日を迎える大統領選決選投票は、マクロン候補と極右FNのマリーヌ・ルペンの両候補の争いとなった。世論調査ではマクロン候補が60%を超える支持率を得ており、同候補の優位は動かない。第1回投票翌日の24日には、オランド大統領がこれまでの沈黙を破り、極右勢力を排除するためにマクロン候補に投票すると言明、初めて公にマクロン候補の支持を表明した。左右の別を問わず、同様の立場の表明が相次いでいる。マリーヌ・ルペン候補は、第1回投票で極右としては過去最高の得票数を達成することに成功したが、これ以上支持を伸ばす余地は限定的であり、決選投票での勝利は極めて難しい。ただ、「共和国の精神」の擁護を掲げてマクロン候補支持で大同団結が形成されることは、ルペン候補にとって折り込み済みで、同候補はこれを、どこもかしこも腐った旧来の政治勢力の画策だと批判。マクロン候補をシステムの候補と位置付けた上で、真の政権交代を担えるのは自身のみといういつものレトリックを展開している。
第1回投票の結果分析:両候補がそれぞれ代表する2つのフランス
第1回投票において両候補がトップになった地域を見ると、ルペン候補は北部から東部、そして地中海岸の南仏を抑えた。逆にマクロン候補は、西側と南側(地中海沿岸を除く)、パリ首都圏を抑えており、地理的に明確な縄張りができていることがわかる。支持層としては、ルペン候補はワーカーでは40%近くと高い支持を得ており、マクロン候補は管理職(33.3%)や企業経営者・商店主・手工業者(25.1%)での支持が高い。このようにいろいろな観点から、両候補の支持・不支持からは、例えばグローバル化の勝ち組と負け組といった2つのフランスの存在が浮かび上がってくるかのようで、国の亀裂が深まっていることをうかがわせる。
市場はマクロン候補を歓迎
他方、市場はマクロン候補が当選の可能性が強まったことを歓迎。25日のパリ株式市場CAC40指数は4.14%高と、2015年8月以来で最高の上昇率を記録。これにつられる形で、ドイツをはじめとする欧州各国の株式市場は軒並み大幅上昇を記録した。10年物長期金利の独仏間スプレッドも48ベーシスポイントまで縮小、ルペン候補とユーロ圏瓦解のリスクが遠のいたとの見方が広がったことをうかがわせた。また、ユーロは対主要通貨で軒並み上昇した。
共和党・社会党とも厳しい状況に直面
左右の別を問わず、改革派を結集すると主張するマクロン候補の大統領当選が有力になったことで、第1回投票で敗退した共和党と社会党はいずれも、空中分解の危機に直面している。政界再編の動きが一気に進む可能性もあり、6月の総選挙に向けた動きが注目されている。共和党は24日に政治局の会合を開いたが、フィヨン候補はこの機会に、敗北の責任を取って党の要職から退き、総選挙に向けた指揮も取らないと言明。一介の党員として共和党への貢献を続けるなどと述べた。フィヨン後の共和党内では既に内部対立が先鋭になっており、決選投票への対応を巡っても、反極右でマクロン候補を明確に支持すべきだとする勢力と、反極右を掲げても、マクロン候補の支持を打ち出すべきではないとする右寄りの勢力が対立。総選挙に向けて主導権争いが激しくなることが予想される。アモン候補が敗北した社会党も状況は一段と深刻で、左寄りの勢力と、アモン候補に予備選で敗れたバルス首相らの右寄りの勢力の間で、亀裂が修復不能なまでに拡大したという見方がある。社会党のカンバデリス第1書記(党首に相当)は24日、当面は極右の撃退が至上課題であるとして、マクロン候補を当選に導くことに協力するのが先決だと説明。党の問題はその後に協議すると説明した。