太平洋の知られざるフランス領「クリッパートン島」

メキシコ沖の太平洋にクリッパートン島と呼ばれる知られざるフランス領がある。珊瑚礁の環礁で、完全な無人島だが、98799という郵便番号を備えている。領有権の争いがメキシコとの間であり、2005年には同島周囲のZEE(排他的経済水域、英語ではEEZ)でフランスの軍艦がメキシコ船を拿捕する事件があり、争いが再燃したが、両国の協議の末、フランス政府がZEE内のメキシコ漁船の操業を無料で認めることを約束し、一応の決着を見た。
同島は無人島で、フランスから遠いこともあり、監視の目が届かず、麻薬取引に利用されることもあるという。麻薬密輸船が当局の摘発を逃れるために、クリッパートン島に漂着するのを見越して積荷を海洋に投棄し、後ほど取りに戻るという利用法で、同島において2005年に数ヵ月に渡り調査のため滞留した環境保護派のジャンルイ・エティエンヌ氏も、25kgに上るコカインの漂着を確認している。
プラスチックなど浮遊物の漂着も多いという。海洋環境調査の絶好の拠点ともなる場所だけに、研究者らは、仏・メキシコの協力による測候所の設置などを通じて、同島の環境保全を進めるべきだと主張している。