トランプ米政権の保護主義にドイツで懸念広がる

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トランプ米新政権の発足により、ドイツでは経済関係に大打撃が及ぶことへの懸念が広がっている。フランクフルターアルゲマイネ紙日曜版は29日付でエコノミストらの意見を掲載。経済研究所IFOのフュスト所長は、米国との通商関係が完全に途絶えた場合を仮定すると、工業部門で160万人の雇用に打撃が及ぶ(ドイツ国内の100万人と、ドイツ企業が米国で雇用する60万人)との見方を示した。
ドイツにとって米国は、2015年以来、英国やフランスを抑えて最大の輸出先市場となっており、ドイツの輸出全体の1割近くに上る1430億ユーロが米国向け輸出となっている。両国間の貿易収支も560億ユーロのドイツ側の黒字となっており、トランプ米大統領も繰り返し、ドイツの自動車産業などを槍玉にあげている。自動車・自動車部品の対米輸出は2016年に320億ユーロに上ったが、キール経済研究所によれば、自動車部門の雇用のうち20万人は対米輸出に携わっており、関係が冷え込んだ場合の打撃は大きい。同研究所のシュノベール所長は、両大戦間のドイツが世界経済恐慌を経て全体主義に傾いていった過去と現在とを重ね合わせて、「過去の経験から我々は皆、教訓を得たというのにトランプ氏だけは例外である。自由主義の世界秩序が疑問に付されようとしている」と懸念を示している。