大気汚染対策:パリとリヨンで自動車通行制限

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フランスでは気象条件(低気温、高気圧、無風など)も手伝い、全国的に大気汚染が深刻化しており、2大都市圏であるパリ首都圏とリヨン都市圏では1月23日から自動車の通行制限が適用される。
パリ首都圏では、Airparif(大気汚染監視機関)によると、粒子状物質濃度が警戒水準とされる80µg/m3を超える90µg/m3に達する見通しで、当局は排出ガス低減性能を表示するステッカー制度を利用した通行制限を適用する。
この制度は仏政府が大気汚染対策の一環として昨年中に制定、自動車の排ガスを汚染度の小さいものから順にゼロから6までの7段階で評価し、これを色分けしたステッカーで表示する。パリではすでに1月16日から、ステッカーを取得する権利がないレベル6に相当する汚染度の大きい旧型車(乗用車の場合は1996年12月31日以前、商用車は1997年9月30日以前、二輪車は2000年5月31日以前に登録したもの)がウィークデイ(月-金)の8-20時に市内の通行を禁止されている。
23日からの特別措置では、パリおよび隣接する3県(オードセーヌ、セーヌサンドニ、バルドマルヌ)において、レベル6の車両とレベル5(1997年1月1日から2000年12月31日の期間に登録されたディーゼル車)の車両を通行禁止の対象とする。違反者は罰金を科される可能性がある。禁止対象ではない車両でも、ステッカーを貼っていない場合は本来は罰金の対象となるが、ステッカー制度がドライバーの間で浸透していない実情を考慮し、警察は当面は単なる指導に留める見通し。
自動車の通行制限と並行して、当局は公共交通機関やカーシェアリングの利用を推奨している。また自転車レンタルサービス「Velib’」やEVレンタルサービス「Autolib’」の特別値引きなども実施する。なお、首都圏の地下鉄やバスを運行するRATPは、パリ首都圏の公共交通機関を統括するSTIFの要請に応じて、大気汚染対策用の特別一日乗車券を新たに発売する。料金は3.80ユーロで、地下鉄の最低料金の往復分(乗車券2枚分)に相当するが、この一日乗車券を購入すれば、RATPが運営する全ての交通機関で零時から24時まで一日乗り放題となり、特に遠距離通勤客などには大幅な割安になる。従来、大気汚染がひどい日にはRATPは無料利用を提供してきたが、これは1日のコストが400万ユーロと大きく、国や自治体が負担を拒否したため、この新制度が導入された。また無料化は、すでに定期券を購入している利用者には何の利益もなく、不公平だとの批判も、新制度では考慮されている。
一方、リヨン都市圏では首都圏よりもひどい105µg/m3の粒子状物質濃度が見込まれ、ナンバープレートの末尾が偶数あるいは奇数の車両のみに通行を認める従来型の通行制限措置(23日は奇数のみに許可)とステッカー制度を組み合わせた対策が適用される。ステッカーのないレベル6の車両の通行が禁止されるほか、ナンバープレートの末尾が偶数のレベル5と4の車両が禁止の対象となる。
このほか、首都圏でもリヨン都市圏でも、最高時速を通常よりも20kmほど引き下げる。