ベルリンのテロ事件:チュニジア人が指名手配、メルケル首相への風当り強まる

ベルリンのクリスマス市で19日に発生したテロ事件で、ドイツ警察は20日夜、容疑者の指名手配を行った。チュニジア人のアニス・アムリ(24)を国際指名手配とし、情報提供者に対して最大10万ユーロの褒章を約束した。
アニス・アムリの身分証がトラック内に残っていたことから身元が判明した。22日までの発表によると、アムリの指紋などが運転台などに残っており、トラックを運転していたのはアムリ本人だったことが確実であるという。アムリは2015年6月にドイツに入国、数度に渡り住居を変えて、複数の変名を使い分けており、当局もイスラム過激派に近い要注意人物としてマークしていた。それでも犯行を防げなかったことで、当局の対応を批判する声が各方面から上がっている。特に、アムリは難民認定申請を去る6月に却下されており、本来なら本国に送還されるはずだったが、そのまま国内に留まり、今回の犯行を引き起こした。当局はこれについて、チュニジア政府がアムリの身元確認に手間取り、渡航証が発行されなかったためだと説明しているが、メルケル政権は不法滞在者の送還を徹底すると約束していただけに、約束が実際に実行されていないと批判する声が上がっている。なお、イタリアの報道によれば、アムリはドイツに入国する前、イタリアで4年に渡り放火の罪で服役したといい、当局の管理能力に手落ちがあった疑いも浮上している。積極的な難民受け入れの姿勢を示してきたメルケル首相への風当たりは強まっており、極右系の勢力による首相の辞任を求めるデモなども勢いを増している。
これとは別に、ドイツ警察は昨日、デュースブルク市内でイスラム過激派の兄弟2人をテロ計画容疑で逮捕した。逮捕されたのはコソボ出身の28才と31才の兄弟で、ショッピングセンターの「ツェントロ・オーバーハウゼン」(ノルトライン・ウェストファーレン州)を狙ったテロを計画していたという。当局は同時に、同ショッピングセンターの警備を強化した。