オランド大統領、出馬を断念

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オランド大統領は1日夜、国民向けのテレビメッセージを通じて、5ヵ月前に迫った大統領選挙に出馬しない意向を表明した。左派勢力に結集を促したが、バルス首相を支持するとは明言しなかった。
現職大統領が1期目後に再選を狙って出馬しないのは、第5共和政下ではこれが初めて。大統領は10分間のテレビ演説の中で、自らの任期中の業績を振り返り、困難な状況の中で一連の成果を挙げたと総括。最大の課題に位置付けていた失業対策についても、改善が遅れたものの、年頭以来では10万人の失業減を達成したと言明し、自らの政策運営を擁護した。大統領はその上で、数日前に共和党の大統領候補に指名されたフィヨン元首相について、フランスの社会モデルと公共サービスを破壊し、不平等の拡大を招く恐れがある政策を標榜していると批判。また、極右「国民戦線(FN)」については、国の孤立を招く主張を繰り返しており、FNの政策が実行されれば、その被害を被るのはまず最初に民衆層だと述べて批判。大統領はその上で、これらに対抗するには左派勢力が一致団結する必要があるとし、結集の妨げになるようなリスクを冒すことはできないと述べ、冷静に状況を判断した上で、出馬しないことを決めたと言明した。
これより前、バルス首相は自ら出馬する意志を鮮明に示し、オランド大統領に揺さぶりをかけていた。大統領と首相は28日に定例の月曜会談を行い、両者の和解が伝えられ、バルス首相もオランド大統領に対抗して出馬はしないと前言を修正していた。バルス首相がこの会談後にそこはかとなく嬉しそうだったという証言もあり、この時に、何らかの協議がなされた可能性もある。ただ、オランド大統領が出馬を断念するという事態は事前にはほとんど取り沙汰されておらず、ごくわずかな人しか知らされていなかったと考えられる。
大統領はテレビ演説の中ではバルス首相の名前を出しておらず、社会党主催の大統領候補指名投票に向けた具体的な見解は一切示さなかった。バルス首相が指名投票に向けて出馬するのはほぼ確実とみられるが、世論調査では社会党候補は誰が出ても、マクロン前経済相はもとより、メランション候補(左翼党・共産党が支持)にも支持率で及ばないという低迷ぶりであり、社会党内で今後、どのような動きが出るか注目される。