パリとブリュッセルのテロ、黒幕の正体が判明

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ルモンド紙によると、近く1年目を迎えるパリ同時テロと、今年の3月にブリュッセルで発生したテロ事件の共通の黒幕が特定された。両方の事件で実行犯グループが連絡をとっていたアブー・アーマドなる人物が、ベルギー人のウサマ・アタル(32)であることが、ベルギーとフランスの警察当局の調べで判明したという。
ウサマ・アタルは、ブリュッセルのテロの実行犯であるエルバクラウイ兄弟の従弟にあたり、以前から関与が取り沙汰されていた。シリア経由で入国したテロ未遂犯が、フランス警察による取り調べの末に、自らの渡航をほう助した人物としてウサマ・アタルを同定したことが決め手になったという。
アタルはイスラム過激派の戦闘員としてイラクに渡り、2005年にイラクの裁判所から有罪判決を受け、米軍が管理する収容施設キャンプ・ブッカに収監された。この施設を経由して「イスラム国」幹部となった者は数多いといわれている。アタルは2012年、28才の時に、人道主義団体やベルギー政府を巻き込んだキャンペーンの末、健康上の理由により特別に釈放されてベルギーに帰国。その後ほどなくして姿を消し、シリアに渡った。アタルはシリアから、主にベルギーのグループを通じて一連のテロ活動を、アブー・アーマドの名前で支援していた。
今回の身元特定は、イスラム過激派のテロ組織には、血縁関係をよりどころとして形成されるというパターンがあることを改めて確認する材料となった。ただ、ウサマ・アタルの関与の仕方を見ると、実際には本当の黒幕がその背後にいた可能性が濃厚であり、全容の解明は、実現するとしてもまだ先のことになると考えられる。