今年のゴンクール賞、モロッコ系女流作家スリマニ氏が受賞

フランスを代表する文学賞であるゴンクール賞の受賞作が3日に発表された。モロッコ系の女流作家レイラ・スリマニ氏の「優しい歌(Chanson Douce)」が選ばれた。スリマニ氏は35才、ジャーナリスト出身で、小説家としては2015年にデビュー。今回、2作目の長編小説で受賞を果たした。作品は、裕福な夫妻が雇った乳母との対立を経て、乳母が子供を殺害するに至る経緯を事件物風に追ったもので、階級闘争と愛情の奪い合いを巧みに描いた点が評価された。移民系の女性が選ばれた点も、文学界のダイバージェンスをアピールする審査員会の意図が感じられる。
同日に発表されたルノドー賞の受賞作には、女流劇作家として定評があるヤスミナ・レザの「バビロン」が選ばれた。前日の2日に発表されたメディシス賞は、より先鋭的な作品を選ぶという評判通り、イバン・ジャブロンカの「レティシア、または人類の終焉」が受賞した。この作品は、実際の殺人事件に取材した実話物で、現実とフィクションの間の境界が薄れつつある現代の文学作品の傾向を反映している。