石器とそっくりの石片、サルが偶然に製作

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ブラジルのノドジロオマキザルの中に石を砕く習性を持つ個体があることがわかり、20日付のネイチャー誌上にその観察結果が報告された。砕いたときにできた副産物は打製石器とよく似ており、これは、偶然の副産物である石片を打製石器と誤認するケースがあり得ることを示唆している。
この研究はオックスフォード大学のトモス・プロフィットらが発表した。観察対象となった個体は、岩に石を打ち付けて砕き、発生する石の粉を舐めるという行為を繰り返していた。粉を摂取する理由は不明だが、この行為の結果、副産物として生じる石片は手斧などとして用いる打製石器と酷似していた。このサルの場合、石片を実際に道具として用いるわけではなく、似ていても石器とは呼べないが、人類学者が過去に同様の経緯で発生した物体を石器と誤認する可能性はある。
ただし、研究をまとめたプロフィット氏自身も、現在知られている石器が偽物であったと考えることはできないと指摘。実際、発掘される打製石器は、石器で切断した骨など、道具として用いられていたことを示す物体と共に発見されており、疑いの余地はほとんどない。現在、最古の石器と目されているのは、ケニアのトゥルカナ湖地方で2015年に発見された推定330万年前のものだが、これについても、道具であったことは間違いないと考えられている。プロフィット氏は、さらに古い石片の鑑定において慎重を期す必要があることを示していると説明。
その一方で、今回もたらされた知見は、初めての石器は偶然の所産として出現し、それが定着していったという可能性を裏付ける傍証になると指摘する専門家もいる。