英国のEU離脱、経済界は懸念強める

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英国の欧州連合(EU)離脱が厳しい条件で行われるとの見通しから、市場では英ポンド安が進行している。経済界には動揺が見られ、シティの金融業界では、一部事業を欧州大陸に移転する準備が水面下で本格化している。
メイ首相は2日、EU離脱に伴い移民制限を強化する方針を示唆。欧州司法裁判所の下には戻らない、とも述べて、EU統合市場からの離脱を含む「ハード・ブレグジット」の選択に傾いていることをにおわせた。この発表を境にポンド安が急速に進んだこともあり、英国政府は姿勢をやや軟化させたものの、先行き懸念は根強く、ポンド安の基調は変わっていない。対英投資の手控えが広まっていることから、ポンドを支える大局的な材料に欠け、低下傾向は今後もさらに続くと見られている。
メイ首相は、EU離脱の交渉開始を意味するEU条約第50条の発動を2017年3月までに行うと予告しており、第50条の規定により、そこから2年以内で離脱が実現することになる。ただ、英国とEUの関係を規定する枠組みがすべてなくなり、それに代わる協定を逐一、結びなおすことになれば、2年ですべて終わるとは期待できず、法的な空白が生じる「クリフエッジ」の懸念が経済界にのしかかる。メイ首相は、内相出身で経済界との関係が薄いだけに、経営者のモラルを問題視し、企業のガバナンス改革を声高に要求する首相の姿勢は、経済界の不信を招く結果にもなっている。