フランスの教育制度、不平等を助長=公的組織報告

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政府機関の教育制度評価全国評議会(CNESCO)は9月27日、仏教育制度の包括的な評価報告を公表した。過去30年間に渡る仏教育制度の成果を、様々な側面から評価した20件程度の調査結果を公表、フランスの教育制度は、不平等の是正に貢献しているどころか、不平等の助長を招く要因になっているの厳しい結論を提示した。
報告書によると、ドイツ、スイス、米国などの国も、フランスと同様に、経済開発協力機構(OECD)のPISA調査などで学校教育における成果の低さを指摘されていたが、フランスとは違って改善に成功した。しかしフランスでは、恵まれた層では学力が向上し、恵まれない層では低下するという二極分化の傾向が続いており、不平等が学校教育を通じて助長される格好になっている。特に、中学校以上になると格差が拡大する傾向にあり、例えば、中学最高学年でフランス語の十分な能力水準を確保している生徒の割合は、恵まれた層では80%、恵まれない層では35%と、大きな格差が生じている。
報告書はその理由として、ZEP(教育重点地区)に依拠した格差是正の取り組みの失敗を特に挙げている。同制度は1981年に導入され、問題地区をZEPに認定し、ほかよりも多くのリソースを投入することで、教育効果を拡大するという趣旨だった。しかし、指定地区が増えたこともあり、リソースが拡散し、十分な効果が得られないようになった。経験のある有能な教員を配するといった取り組みも実現しておらず、その一方で、ZEP指定を受けることにより、余裕のある層が子供をZEPから遠ざけるという動きが発生し、ZEPの学校がゲットー化するという逆効果が生じている。報告書は、地区指定と対象地区への支援の強化を旨とする政策が失敗に終わったことを踏まえて、多様な層が共存する学校の在り方を目指すべきだと勧告している。