肥満で年間204億ユーロの費用が発生:カロリー税導入の提言も=政府報告書

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仏国庫局は9月1日、肥満の経済的影響に関する報告書を公表した。肥満防止と、肥満による財政への悪影響を吸収する目的で、肥満の原因となる食品への課税導入などの提案も盛り込んだ。
報告書によると、2012年時点でフランス人のうち2460万人が太り気味となっており、これは人口の3分の1に相当する。肥満者に限ると、対人口比は15%となっており、35年前の5%と比べて顕著に上昇している。肥満者は、糖尿病、高血圧症、呼吸器系疾患、一部のがん、うつ病などのリスクが高く、医療支出が大きくなり、国の負担もそれだけ大きくなる。報告書は、経済的影響の推計に関する既存の研究が部分的な内容のものだと指摘した上で、概算での把握を試みている。これによると、年間で健保支出は170億ユーロ増、欠勤で70億ユーロの損害が発生し、逆に年金支出では70億ユーロの「節減」(早死ににより支給しなくて済む分)が実現する。このほかの項目も合算すると、全体で年間204億ユーロの費用が生じる計算になるという。ちなみに、同様の推計を依存症についてすると、たばこが266億ユーロ、アルコールが150億ユーロとなる。ただし、依存症の1人当たりの費用は2000-4000ユーロとなり、肥満者の660ユーロと比べて多い。
報告書は対策として、カロリーの高さや栄養面の特性に応じた食品課税の導入を提案。現在は、加糖飲料を対象にした課税(年間4億ユーロ)など特定の製品を対象にした課税があるが、これを新たな課税制度に切り替えるという構想だが、抑止効果が出るためには、製品価格が1-8%程度高くなる必要があり、かなりの規模の課税になると考えられる。対応製品に高めの付加価値税(VAT)税率を適用するという方法もある。報告書はその一方で、食品支出が家計支出全体に占める割合が高い低所得者層への課税の影響を吸収するため、給付額の増額などの方法で、所得再分配を強化すべきだとも提言した。