パリの超高級ホテル、冬の時代に

Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterEmail this to someoneBuffer this page

パリ市内の超高級ホテルで経営者の解任が相次いでいる。6月初頭には、ザ・ペニンシュラ・パリのベリアールCEOが解任された。ペニンシュラ・パリはカタール・中国資本の傘下で、後任にはペニンシュラ・バンコク出身の女性CEOが起用された。ブリストルではルカルベCEOが突然に解任され、執務室が閉鎖されるという事態に発展した。解任の理由は発表されていないが、会計上の不和があったと噂されている。
パリのホテル業界は折りしも、テロの後遺症で厳しい状況に直面している。高級ホテル業界団体のUMIHプレスティージュによると、RevPar(客室当たり平均収入)はこの6月に15-20%の低下を記録。低下傾向はこの数ヵ月以来続いている。超高級ホテルの客室稼働率も30-50%の低下を記録。例年6月は繁盛期であり、客室稼働率は90-97%に上るのが通例というが、今年はわずか55-60%に低迷しているという。外国人観光客の場合、「非常事態宣言」下のフランス旅行における一部の事故は保険によりカバーされない場合があるといい、これが富裕層を中心にパリを敬遠する動きが広がり、高級ホテルの客足が鈍っている。
超高級ホテルの場合はもう一つ、供給過剰の問題がある。この8年間でパリにはシャングリラ、マンダリン・オリエンタル、ペニンシュラの東洋系3社が相次いで進出、迎え撃つ老舗の高級ホテルは改修により部屋数を増やしたことから、客室数は2008年から2015年にかけて1145室から1570室に増加している。折悪しくテロで客足が冷え込み、供給過剰に陥っている。最近ではリッツがリニューアルオープンし、クリヨンとリュテシアが2017年には再オープンする予定であることから、4-5年は市場の不均衡が続くという見方もある。