アルザス地方で6000年前の「殺人現場」跡が発掘

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アルザス地方で6000年余り前の「殺人現場」が発掘された。鑑定作業が続けられている。
発掘がなされたのはストラスブール西方のアヘナイム市(バラン県)。縦孔内に6人の男性の死体が埋められていたのが発見された。一人は15-19才の少年、残りは成人の死体だった。死体の姿勢はばらばらで、しかも四肢や頭蓋骨、骨盤などに多数の骨折跡があった。また、左腕のみ4本(うち1本は12-16才の少年のもの)も同じ場所から見つかった。
死体の乱雑さから見て、埋葬とは考えられないが、負傷の規模から見ると、単なる戦闘で受けたものとも考えにくく、生きているうちか、又は死亡してから、執拗に暴行を加えられた様子が見てとれる。左腕のみが共に埋められていたのも不可解だが、同じアルザス地方では2012年にも、ベルグアイム(オーラン県)において、8人の骨格と7本の左腕が発掘された例(紀元前4400-4200年)があり、この時代にこの地方に広まっていた風習であることを示唆している。
アヘナイムの発掘現場では、城壁と、その内部に穀物を収納したと考えられる縦孔400件近くが見つかっている。死体が見つかった縦孔は、ほかの縦孔からは離れた場所にあった。敵のグループとの戦闘(襲撃した敵を撃退した可能性などが考えられる)に勝利し、死亡者の左腕は戦利品として持ち帰り、生きて捕獲した者は虐待の上で殺害(又は殺害の上で死体を毀損)し、これらを縦孔に埋めたというのが今のところ有力な仮説で、縦孔がほかとは離れた場所にあったのは、例えば広場で虐待が行なわれ、その場所に埋められたといった可能性が考えられる。この時代は、パリの方からアルザス地方への民族の進出が始まっていた時期に当たり、入植者と先住民の間で発生した抗争の痕跡とも考えられる。発掘に当たった研究チームは、遺骨の出身地を鑑定する目的でゲノム解析と安定同位体分析を行なう方針で、予算の申請を準備している。