「グリーン電力」契約、仏国内で増加

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仏国内で「グリーン電力」契約が、ここ数ヵ月で個人向け・法人向けともに顧客を増やしている。4月12日付の仏レゼコー紙が報道した。グリーン電力契約は、電力供給事業者が顧客に対して再生可能エネルギー由来の電力を提供する契約。ただし実際には、供給事業者は電力卸市場で電力を購入した上で、発電事業者から購入電力量と同等の「再生可能エネルギー発電保証」を買い取ることがほとんどとなっている。発電事業者は、販売した「再生可能エネルギー発電保証」の量に相当する電力を再生可能エネルギーで発電することを約束する、というシステム。ほとんどの供給業者は、仏エネルギー市場が10年前に自由化されて以来こうした契約を提供している。現在、仏国内で数十万の顧客がグリーン電力契約を結んでいると見られる。
エンジーでは、6ヵ月前にはグリーン電力契約が契約全体の5%に過ぎなかったが、昨年末から今年初頭にかけてこの割合が20%まで上昇した。こうした傾向は、EDF、ランピリス、Enercoop、Planete Ouiといった事業者でも見られる。この理由としてはまず、COP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)にともなって消費者に環境への意識が高まったことが挙げられる。また法人向けの電力規制料金が2016年初に廃止されたことに伴って、公共機関の多くが電力入札を実施するにあたってグリーン電力の供給という条件をつけた、というような変化が見られた。これに加えて、電力卸価格の下落がグリーン電力契約の伸びに大きく貢献した。グリーン電力契約は、供給業者の「再生可能エネルギー発電保証」買い取りコストに伴って通常の契約に比べて割高になるのが常だが、市場価格の下落により、事業者の中には規制料金を下回る契約を提供するものも現れている。例えばランピリスは、4月から規制料金を12%下回るグリーン電力契約を提供している。
なお、レゼコー紙は同時に、グリーン電力供給を専門とする仏協同組合のEnercoopについて特集した。Enercoopは2005年に環境保護派の市民プロジェクトから生まれた。卸市場で電力を購入した上で「再生可能エネルギー発電保証」を発電業者から買い取る事業者とは異なり、発電事業者から直接再生可能エネルギー由来の電力を買い取る、という形態を採用している。このため、電力市場価格の下落がEnercoop自身が提供するグリーン電力契約の価格に反映されない、という弱みがある一方で、設立以来値上げも行っておらず、設立当時はEDFの電力価格に比べて45%割高だったが、現在はこれが15%まで縮まっているという。電力のうち95%は水力発電に由来し、そのほかでは風力、太陽光、バイオマス発電由来の電力も提供する。同社の顧客数は現在3万だが、これを2020年に15万にまで引き上げることを目指している。2015年の売上高は2000万ユーロで、今年はこの倍を目指すという。すでに、ナントやリールといった自治体、クロノポストなどの企業からの契約も獲得している。最近は発電事業への投資も開始した。