パリで大規模なテロ事件、「イスラム国」が犯行声明

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パリで13日夜に大規模な同時多発テロ事件が発生した。合計で少なくとも128人死亡、負傷者は257人に上り、うち80人は重傷を負った。

事件の経緯
事件は21時20分頃に始まった。パリ北郊の競技場スタッドドフランスの周辺で2度に渡る爆発が発生。それと同時に、パリ東部の11区及び12区で銃撃事件が相次いで発生した。
スタッドドフランスではちょうど、ドイツ対フランスのサッカー友好試合が開催中で、オランド大統領も観戦していた。競技場の観客などに死傷者はなく、オランド大統領は試合中に退去した。競技場の周囲では、合計で3回の爆発が発生。これらはいずれも自爆テロと見られており、自爆した3人を含めて4人が死亡した。爆死した1人の傍にはシリアのパスポートが落ちていたとの情報もあるが、死亡者との関係などはまだ把握されていない。
パリ市内では、21時25分に10区のレストラン「プチカンボージュ」とカフェ「カリヨン」前で銃撃があり、少なくとも12人が死亡。同32分には11区のレストラン「カサノストラ」前で銃撃があり少なくとも5人が死亡。同36分には11区のシャロンヌ通りで銃撃があり少なくとも19人が死亡。続いて同49分には11区のコンサート会場「バタクラン」が襲撃を受けた。折りしもコンサートが開催中で1000人を超える観衆が集まっており、銃撃に続いて人質事件に発展、2時間ほど後に警官隊が突入した。犯人は4人で、3人は突入時に自爆、1人が警官隊に射殺された。バタクランではこの事件で少なくとも82人が死亡した。パリ市内の事件は、いずれも、レピュブリック広場、バスチーユ広場、ナシオン広場とサンルイ病院(サンマルタン運河近く)を結ぶ四角形の中で発生した。
一連の事件で、合計8人の犯人が死亡。うち7人は自爆する形で死亡した。

政府の対応
オランド大統領は同日夜に異例のテレビメッセージを放送。前例のない重大なテロ攻撃があり、多数の死傷者を出したと発表。軍を投入してパリ市内の地区の安全確保を進めているところだと説明した。大統領はまた、非常事態宣言をフランス全土に発令すると予告。また、「国境の封鎖」(陸上国境における検問の復活)を行い、国民の安全確保に全力を尽くすと述べた。大統領はその上で、国民に対して冷静な反応を呼びかけた。
大統領は続いて臨時閣議を招集して対応を協議。この際に、非常事態宣言の発令に関する政令を定め、即時に公示・施行した。非常事態宣言下では、各県の県庁が治安維持に必要な措置を決定することができる。パリ市では、14日に公共機関(学校、図書館、体育館、公営市場、美術館等)を臨時閉鎖することを決定。パリ市と隣接する県では、14日に住民に対して、不必要な外出はしないよう呼びかける異例の措置を実施した。政府はまた、3日間の「服喪」期間を設定することを決めた。

「イスラム国」が犯行声明
今回のテロ事件について、「イスラム国」が14日に犯行声明を出した。テロの規模は、フランスでは過去最大、欧州でも、2004年3月にスペインのマドリードで発生したテロ(200人死亡、1400人負傷)に次ぐ規模となった。今回のテロは、その規模に加えて、自爆テロが行われた点でもフランスでは初めてであり、また、同時多発型で行われ、標的が無差別であるところも、これまでのイスラム過激派によるテロと比べて大きく異なっている。「イスラム国」の犯行声明は、今回のテロを「綿密な準備」によるものだと説明。フランス軍がシリア空爆に参加したことを「預言者ムハンマドに対する侮辱」だなどと非難している。
オランド大統領はこの犯行声明を受けて14日にコメントを発表。野蛮な者たちに容赦ない対応をすると述べた。