仏政府、抗がん剤アバスチン(ロシュ)の転用を許可

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仏政府は8月27日、省令(アレテ)を公示し、抗がん剤アバスチン(ベバジズマブ)の加齢黄斑変性の治療薬としての転用を許可した。この用途での暫定使用許可(RTU)を与えた。9月1日から施行される。製造元であるロシュ(スイス)の反対を押し切って暫定使用許可を与える初のケースになった。
加齢黄斑変性の治療薬としては、ノバルティス(スイス)が販売するLucentisとバイエルのElyleaが許可を受けているが、これらの医薬品は極めて高価で、Lucentisの場合は1回の注射につき800ユーロと高い。元来、暫定使用許可(RTU)は、代替の治療法がないケースについて、通常の販売許可によらずに投薬することを認める目的の措置だが、政府は2014年12月の法改正で、経済的理由によるRTUの発行が認められるように制度を改正しており、その適用による初のケースとなる。アバスチンの薬価は、1回の注射で10ユーロに設定されており(ただし、眼球への注射とするための調合の費用を含めると78ユーロ程度になる見込みという)、政府はこれにより大幅な支出削減が期待できる。加齢黄斑変性の患者は仏国内に90万人を数え、Lucentisに由来する医療支出は2013年に4億2800万ユーロに上っていた。
ロシュが今回のRTUの付与に反対した背景には、同社がLucentisに権益を有しているという事実がある。Lucentisはもともとロシュが開発、資本提携先のノバルティスが販売権を得ており、同薬による年間収入は、ロシュが16億ドル、ノバルティスが24億ドルに上っている。