住宅家賃規制、パリ市内に試験導入

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8月1日付で、住宅家賃規制がパリ市に試験導入された。これは、パリ市内を14の地区に分けて、そのそれぞれにおいて、住居の種類・規模ごとに標準家賃を統計値から算定、標準家賃に対してマイナス30%からプラス20%までの範囲に実際の家賃を設定することを義務付けるという内容。通称ALUR法に盛り込まれた措置だが、標準家賃を決める統計値を把握する体制が整っているパリ市で先行導入することが決まり、先に標準家賃等を定めた施行政令が公示されていた。
集計によると、市内の40万戸に上る賃貸住宅のうち、6万戸程度が上限家賃を超過しており、逆に下限家賃を下回っている物件は2万5000戸に上る。レゼコー紙はこれについて、法的に不透明な点が多くあり、係争が多く発生したり、実際の適用に困難が生じる恐れがあると指摘している。特に、下限以下の家賃については、低すぎる家賃の引き上げを契約更新時に認める旨の法令上の規定が以前からあり(近隣の同等の住宅の6件の家賃を示して、それに対して50%の引き上げを認める)、こちらが廃止されていないことから、既存の契約における低い家賃の引き上げを新たな措置を利用して実施することができるのか、不明確となっている。他方、家賃の引き下げが適用されうる物件は、屋根裏部屋と高級住宅という両極端の物件に集中すると見られる。うち屋根裏部屋は、1平方メートル当たりの家賃が高めに設定されていることから、規制の対象になりやすくなるわけだが、その数が多い地区(例えば、オスマン通り地区)ほど、全体の標準料金を押し上げる結果になることから、家賃規制の対象から外れる公算が高くなる。また、高級住宅の場合は、家賃規制におけるカテゴリー分けが「4部屋以上」までしかないことから、6部屋以上の高級住宅にも相対的に低めの標準家賃が適用されることになり、この結果、家賃引き下げを請求できることになる。これは本来の規制の趣旨から考えると間逆の結果になる。家主はこの点、各種の付加価値要素(ベランダの存在など)を加味して標準家賃を引き上げるという方法を用いることがが可能ではあるが、ここでも定義などが法令において不明確であり、混乱を引き起こす恐れがあるという。