労働条件の過酷さに関する新制度:政府、制度運用の緩和を提案

労働条件の過酷さを年金等に反映させる目的で導入された新制度について、政府は5月26日までに、適用方法の改正を盛り込んだ4本の修正案を、下院で審議中の労使関連法案に追加する形で提出した。この件で26日に提出された審議会の報告書を踏まえて、修正案を提出した。
労働条件の過酷さを年金等に反映させる新制度は、従業員の各自に個別のアカウントを開設するという趣旨で、各人はここに、労働条件の過酷さに対応したポイントを貯めてゆくという形になる。貯めたポイントは年金拠出実績などに換算が可能で、これは例えば、過酷な条件で就労する人ほど、早期に退職ができるということを意味する。労働条件の過酷さをポイント数の形で数字化するために、10項目の基準が設定され、うち一部の運用は既に開始されているが、使用者側、特に中小企業は、従業員各人について、時間ごとに過酷さを把握し、記録してゆくという制度は複雑すぎて、使用者側の事務処理の負担が極めて大きくなると主張、反発していた。
政府はこうした不満に配慮して、部分的に制度を簡素化することに応じ、修正案の形で提出した。具体的には、把握が容易な項目(夜勤など)を除いて、業界単位で労使交渉を経て対応するポイント数を決めた基準書を策定する形に改めた。これにより、各企業は従業員の各人について労働の過酷性を把握・記録する必要がなくなり、産別の基準書に準拠する旨を確認するだけで済むことになる。また、産別の基準書は労使合意と同等の効力を持つため、各従業員がこれを不服として訴訟を起こした場合でも、抗弁が容易になる。
経営者側は概ねこの修正を歓迎しているが、年金公庫の支出増大を招き、年金制度の将来に懸念が生じるとする批判的な意見も、主にUIMM(工業部門経営者団体)から出されている。