政府、「氏名非表示の履歴書」義務化を断念

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差別対策として導入された「氏名非表示の履歴書」の義務化について、仏政府はこのほど、義務化を解除する方針を固めた。就職差別対策に関する諮問委報告書に従う形で、義務化を断念することを決めた。
 報告書は5月19日に正式に提出される。「氏名非表示の履歴書」は、移民系であることに気づいた採用担当者が意図的に又は無意識に候補者を排除するという結果を招かないようにするために案出された方法で、提出された履歴書から、氏名や住所、写真を排除した上で審査するという趣旨。2006年に立法化されたが、施行令の公示が遅れており、義務化はこれまで実現していない。政府は、下院審議が開始されたばかりの労使関係改正法案に修正案の形で義務付けを解除する条項を追加する方針を固めた。
政府に提出された報告書は、これに代わる対策として、18項目の措置を提案。うち8項目は政府が果たすべき措置となっている。政府はこれらをすべて実行する方針を示している。柱となるのは、差別対策に関する労使交渉を行っていない企業に対して、当事者が集団訴訟を起こすことができる旨を定めた法令の整備で、労組に加えて、採用差別については権利擁護団体に当事者資格が与えられる。政府はこの措置を年末に提出予定の法案に盛り込む計画。このほか、差別関連の対策の成果の発表や情報の開示、採用時の経緯に関する記録の保存といった取り組みに関する諸規定が企業向けに導入される。経営者側は、企業に対して新たな制約を課すものだとして、一連の措置に反発を示している。